どんな人が日本語教師に向いていますか?
「人とコミュニケーションがうまく取れる人」は向いていると思います。
それ以外には特にこれということはありせん。日本語教師は、それぞれがそれまでの人生で経験されたことが必ず活きる職業です。学習者が非常に多様化している現在、教師も多様な人材が求められています。
人生経験が豊富な方は人生の先輩として、また20代、30代の方は兄弟・友達のように親近感のある存在として、日本語+αを伝えながら、伴走していくことができます。
日本語教師の活躍の場は、具体的にどんなところですか?
在日外国人はこの10年で100万人以上増加し、300万人を超えました。日本語教師のニーズはますます高まっています。
この在日外国人300万人のうち、日本語学校に在学する留学生は約1割、9割以上はそれ以外の方々です。かつては「日本語学校=留学生の学校」と捉えられていましたが、現在は留学生に限らず、就労者、生活者への日本語教育に取り組み始めたところもあります。
日本語学校以外にも、海外からの駐在員の方々へのグルーフレッスンやプライベートレッスンを委託される派遣型の日本語スクールや、オンラインのプライベートレッスン、小中学校などの日本語がわからない児童生徒に対する取り出し授業、など、教師の活躍の場も多様化し、更なる広がりを見せています。
KCPは日本語学校が母体と書いてありますが、それが大きな違いになりますか。
受講生は日常的に留学生たちと交流しています。受講生は一様に「学生さんたちのキラキラした目を見ていると、自分も頑張らなきゃと思うんです!」という言葉を口にします。
放課後に学生達とおしゃべりしたり、日本語学校のクラブ活動に学生に交じって参加したり…それはとても新鮮で楽しい経験です。そんな中での何気ないやり取りが受講生のモチベーションをあげ、やる気に火付けているのです。
実習する日本語学校はどんな感じですか?
当校はアジア、アメリカを中心に、多国籍の留学生たちが学んでいます。
学校の雰囲気を感じていただくには、日本語学校の会話の授業にご参加いただくのがお勧めです。学生たちの日本語学習に対する思い、日本語力、日本語の難しさなどを、肌で感じることができます。
講座受講生でなくとも「国際交流ボランティア」にご登録いただければ、留学生との様々な交流のご案内を差し上げます。
KCPの一番の強みは何ですか。
最大のアピールポイントは教壇実習です。
一般的な実習では、実習のための初級のクラスを作り、そこで実習生数名で1コマの授業を分担して教えるというスタイルが多いですが、KCPは違います。
① 本物のクラスで行う実習授業
教師として教えるレベルの授業を経験。指導教官の下、入念に準備します。
② マンツーマンでの丁寧な教案指導
③ 1回45~60分の実習授業
※日本語学校の授業の1コマは45~50分。最低1コマはできるようにならないと、就職後が苦しい。
④ 教壇実習は異なるレベルで2回
日本語学校では初級より中・上級クラスが多いのが普通ですが、KCPでは初級の他、中級または上級でも実習します。
⑤ ホームクラスで5日間
初級、中上級で、それぞれ5日間連続で同一のクラスに入るので、学習者の能力、興味、性格などもわかってきます。学習者を深く理解することは、学習者を惹きつける授業の第一歩。
短い期間でも学習者の成長が感じられ、教師の醍醐味も味わえます。
⑥ プロの技をじっくり見学
教壇実習では「受講生同士で行う模擬授業と、プロ教師が行う授業は別物」ということを痛感します。自分達と何が違うのかを考察し、分析することで、プロの技を自分の授業にも取り込めるようにします。
⑦ 学習者との接し方を学ぶ
想定外の質問が出た、わかっていない人がいる、学生が浮かない顔をしている…
こんな時どう対応したらいいのか。リアルな教育現場だからこそ、真の意味での実践力が養えます。
⑧ 教師としての働き方を知る
授業以外にも日本語教師の仕事はいろいろあります。進学指導や悩み相談、同僚との話し合いなど、教師の日常生活を垣間見ることができます。就職後よくある「理想と現実のギャップ」も軽減します。実習中に「理想の教師に出会った!」という修了生も多く、ご自身の未来予想図が具体的に思い描けるようになります。
単なるマニュアル通りのスキルを身につけたから即戦力になる、とは言えません。
生身の学習者を相手にした時、教師はどのような行動がとれるか、そこまで考えて学び、経験できるのがKCPの教壇実習です。
就職支援はどうですか。
講座が始まるとすぐに「日本語教師に興味を持ったきっかけ」「どんな日本語教師になりたいですか」「どこで教えたいですか」といった質問に答えていただきます。この内容をもとに、第1回目の「就職支援面談」を受講開始1か月目に行います。第2回目の「就職支援面談」は4か月目を目安に行います。
講座の折り返しを過ぎ、初めての教壇実習も経験した時期となりますので、受講生ご自身がより具体的に教師として働く自分を思い描けるようになります。KCPオリジナルの「就職支援ノート」にご自身の長所、養成講座で学んできたことを整理し、就職活動に必要な自己PR書をまとめていきます。また、就職したい機関を探すお手伝いをします。希望者にはKCP地球市民日本語学校への内部エントリー制度をご紹介します。
2回の面談以外にも受講生の方には日々事務局がお声がけし、日本語教師への道をサポートします。
修了したらKCPで働けますか。
KCPでは養成講座修了生を優先的に採用する内部エントリー制度があります。ぜひ積極的にご活用ください。
通学と通信コースがありますが、それぞれのメリットは何ですか。
通学のメリット
1. 最短6か月で、資格に手が届く
月~金 午前9時~12時15分。毎日通学すれば、6か月でコース修了。
2. 支えあう仲間がいる
楽しいことばかりではありません。試験前の勉強や実習前の教案作成など、大変なこともあります。そんなときも、仲間がいれば協力しあい、励ましあい乗り越えることができます。同期生同士の深い絆もまた、養成講座で得られる財産です。
3. 学習者や教育現場への深い理解
日頃から学習者と触れ合い、学習者や教育現場への理解を深めることは、授業計画を練り、また実際に授業をする上で、非常に多くのヒントを与えてくれます。
通信のメリット
1. いつからでも学び始められる。
通学授業のような始業日はありません。思い立った時がはじめ時。受講期間は2年間です。その中で仕事と折り合いをつけながら、受講することが可能です。
2. 働きながら学べる
オンデマンドなので、仕事を持つ方も通勤時間などの隙間時間を活かして講義動画を視聴することができます。通学して受ける実践科目もありますが、受講期間が2年間あるので、ご自身の都合に合わせて、計画的に受講することが可能です。
3. 通信だからこそのわかりやすさ
通学授業では講義を聞くのは1回限りですが、通信コースはわからなければ何度でも繰り返し動画視聴できます。これは大きなメリットです。また書き込み式のレジメがあり、ポイントもわかりやすく、最後には小テストで理解度が確認できるので、無理なく習得できる教材となっています。
★KCPの通信は一人じゃない
週1回のサポートメールのやり取り、月1回のオンライン面談、日本語学校のイベントへの参加(希望者)、3か月に1回程度の受講生同士の親睦会などを実施し、受講生と伴走する態勢を整えています。
通信と通学の間で切替は可能ですか?
はい。受講生のやむを得ないご事情がある場合、1度はコース変更が可能です。受講途中、不都合が生じた場合はご相談ください。
2024年から制度が変わったと聞きました。何が変わったんですか。
従来の制度では、実践練習の経験が全くない方でも教師になることができましたが、新制度では「実践研修」の受講が必須となったことが大きな変化です。もう一つは、以前は学士が必要でしたが、新制度では学士は不要となりました。
従来の制度
以下のいずれかに該当すれば「法務省告示校有資格者」となりました。
① 文化庁届出受理 420時間養成課程修了
② 大学で日本語教育主専攻、副専攻で修了
③ 日本語教育能力試験」合格
※但し、学士以上の方
新制度での国家資格取得条件
① 日本語教員試験「基礎試験」合格
② 日本語教員試験「応用試験」合格
③ 「実践研修」修了
KCPは新制度にどう対応しているでしょうか?
新規受講生に対して
当講座のカリキュラムは文科省より「必須の教育内容50項目」を含んでいると確認を受けており、従来のコースを修了することで、以下の通り免除が適用されます。(経過措置適用には学士が必要です)
免除内容:「日本語教員試験」の「基礎試験」、並びに「実践研修」
適用期間:令和6年4月1日~令和15年3月31日
修了生に対して
2001年の創立以来KCPが提供してきた日本語教師養成講座は全て文化庁が出したカリキュラムの指針に則っていると確認され、上記と同様の経過措置が適用されています。
※新制度では、2024年12月より(予定)文科省の登録する「日本語教員養成機関+実践研修機関」で学べば、①基礎試験と③実践研修が免除されます。
国家資格がないと日本語教師になれないでしょうか?
2024年3月末までは、大学などへの進学を目指す留学生を受け入れることができるのは、「法務省告示校」と呼ばれる日本語学校でした。今後、このような留学生を受け入れられるのは「認定日本語教育機関」になります。(経過措置期間5年間)
「認定日本語教育機関」で働く場合には、登録日本語教員の資格が必須となりますが、「認定日本語教育機関」以外で働く場合は、資格は不要です。
とはいえ、「登録日本語教育機関」以外でも雇用側が資格を求めるケースはありますから、活躍の場を広げるためにも国家資格を取得することをお勧めします。
どうして実習が必須になったのですか?
以前は実習経験がなくても「有資資格者」になれましたし、養成講座修了者も授業で身につけるスキルの範囲はかなり違いがあり、教師の質の向上は積年の課題として指摘されていました。新制度で定める実践研修のカリキュラムは従来に比べ、かなり高い水準が求められています。
KCPは設立当初から一貫して「即戦力」が身につけられる講座として、運営してきたため、新制度で登録申請しようとする際に、カリキュラムにほとんど手を加える必要がないほどです。
ちなみに、国が定める実践研修の最低時間は45時間ですが、KCPでは、従来のカリキュラム課程においても教壇実習だけで89時間を割いています。