進路相談は、受講生も修了生も随時お受けします。積極的に相談窓口をご活用ください。受講中はもちろん修了後も、ご希望に応じて求人情報を随時ご案内いたします。また、日本語教師求人情報の探し方、履歴書の書き方のポイント、面接練習など、採用までの全過程で受講生・修了生をバックアップします。
KCP日本語教師養成講座では、受講申し込み時に「進路希望」を伺います。そこから将来への準備が始まっているのです。受講中から修了後まで、あなたの夢の実現を、日本語教師としてのキャリアアップをスタッフ一同でサポートします。
就職カウンセリング(受講生・修了生サポート)
KCP地球市民日本語学校への優先採用
成績優秀者にはKCP地球市民日本語学校講師への優先採用制度があります。詳細は教壇実習開始前にご案内いたします。
当校の採用情報はコチラ。
海外協力校での優先採用
マレーシア・台湾の提携校で、優先採用制度があります。海外勤務希望の方はご相談ください。
大学TA(ティーチング・アシスタント)派遣プログラム
KCP日本語教師養成講座では、アメリカの大学にTA(ティーチング・アシスタント)を派遣するプログラムを実施しております。アメリカでは大学から住居・食事が提供され、月々、謝金も支給されます。
詳細はコチラ。
採用実績
【国内】
イーストウェスト日本語学校、エリート日本語学校、東京ギャラクシー語学アカデミー、
東京リバーサイド学園、詩文外国語専門学校、東海学院文化教養専門学校など
【海外】
櫻花国際日語(中国)、時事日本語学校(韓国)、ドンズー日本語学校(ベトナム)、
Pasona Education Co,Ltd(香港)、チャナッカレ・オンセギズ・マルト大学(トルコ)、
ノースカロライナ大学・チャペルヒル校(アメリカ)、JICA 日系社会ボランティア(ブラジル)、
国際交流基金北京日本文化センター(中国)など
米国大学でのTA(ティーチング・アシスタント)経験は私の財産
齋藤 由裕さん 〔5期〕
<経歴>
学校法人KCP学園 KCP地球市民日本語学校 非常勤講師
アメリカ KCP米国大学ティーチング・アシスタント派遣プログラム
ミシシッピ大学(州立)
現在 学校法人KCP学園 KCP地球市民日本語学校 常勤講師
─なぜTAに申し込まれたんですか。
養成講座修了後は非常勤講師としてKCPで働いていたんですが、自分は海外留学の経験もなく、日本で学ぶ彼らの心理を知りたいと思ったていたのと、海外の日本語教育の現場を実際に見てみたいと思ったからです。
─大変な時期でしたが、現地での活動はどうでしたか。
行ってすぐにハリケーンに襲われ1ヶ月ほど体育館での避難生活を送る羽目になりましたが、体育館での生活の中で、アメリカ人の精神構造の根幹をなす宗教観やボランティア精神といったものを身をもって知りました。まだまだ英語での意思疎通が困難なときに、こういった状況に直面した経験から、日本に留学している学生たちの気持ちが理解できるようになったと思います。
─TAでは実際どんなことをしていたのですか。
日本で教えた経験があったので、TAと言っても単なるアシスタントではなく、初級クラスを任されて教えていました。それから日本語クラブの運営や南部の大学数校で行ったスピーチコンテストの運営も先生と一緒にさせていただきました。1年間でTAプログラムは終ったのですが、その後大学院へ進学し、引き続きTAとして教えていました。
─その時の経験は今どのように生かされていますか。
自分も留学生として英語とフランス語を学んだので、外国語を勉強する上での大変さがわかり、学習者の立場に立って教えるという意味では、非常に役立っています。またアメリカの学生と同じ寮で生活し、しかも寮長も経験したことで、アメリカ人と日本人では価値観や発想がいかに違うかを痛感しました。現在はKCPで「USプログラム」の担当をしていますが、新たな企画を立てるにも、まず彼らの視点・発想に立って考えます。米国大学から来る学生たちへはもちろん、他の国の学生への日本語指導や、生活・進学に関する相談を受ける際にもそのときの経験が生きていると感じます。
─将来の夢は?
非常勤講師と常勤講師の違いは学校運営に直接関われる度合いだと思います。せっかくKCPで常勤講師をしているので、USプログラムだけではなく、多角的な視点を持ち、自分で新しいプログラムを立ち上げて、新しい形の日本語教育に挑戦していきたいです。また「KCPに齋藤あり」と言われるような教師になりたいです。(笑)
プロになった今も振り返る「受講ノート」
藤得 説さん 〔8期〕
<経歴>
学校法人・東京ギャラクシー日本語学校 非常勤講師
「初心忘れることなかれ」
現在の仕事は、もう10年になりますが、常に「初心を忘れることなかれ」を肝に銘じ、日々、留学生たちと過ごしています。日本を訪れた留学生たちの貴重な時間を、彼らの人生の5年後10年後に活かせるよう、微力ながら、何ができるのかを念頭に努力しています。進学指導も担当しています。
今も見直す受講当時のノート・・・
KCPは 基礎から専門的な知識、そして教育現場で求められる実践のための力を培う絶好の学びの場でした。例えば、内省と教室コントロール、文法、コミュニケーション能力などなど・・・ 今の私の教育現場で活かされていると日々実感しています。時々、当時の受講ノートを見直しますが、それが今もとても役に立っています。
─同期の方とは今もお付き合いがありますか?
ええ、同期の仲間は年齢も性別もバックボーンも全く異なりましたが、養成講座時代はともに切磋琢磨し、苦しいときは助け合ったので、とても強い絆があります。今も定期的に集まっては飲みに行っています。(笑)
受講中に弱点克服、今 さらなる成長を目指す
国吉 真美さん 〔10期〕
<経歴>
韓国 日本語学校 非常勤講師
アメリカ 小学校
現在 韓国 PAGODA日本語学院 常勤講師
─韓国での日本語教師歴も長くなりましたね?
韓国で日本語教師の職に就き、5年になります。韓国の日本語学校では、韓国人の先生に基礎文法を習った学生が、日本人ネイティブのクラスに上がります。日本人講師は、会話の授業を受け持つのです。
─学習者はどんな方たちですか?
「ビジネスで日本語が必要だ」「趣味で勉強したい」「旅行の日本語を学びたい」など、様々な目的を持って日本語を勉強しています。勤務校がオフィス街にあるので、ほとんどが会社員と主婦です。
日本語学校で日本語を勉強することで「日本に旅行した際に日本語が使えた」とか「日本のドラマを字幕なしで見られるようになった」「日本の手芸雑誌を読んでいてそれを見て作品を作った」など いろいろな学習成果を聞いています。
─KCPで学んだことで、何が一番役立っていますか?
KCPでの豊富な実践経験のおかげで、初めて韓国で教壇に立った時も、全く不安はありませんでした。そして、KCPでは少人数で勉強できたため、先生方が細かく指導してくださり、自分の弱点も克服することができました。それが私の大きな自信になりました。
私が「学ぶ」ことの方が多い
ずっと韓国で教えていると、韓国語と日本語を比較する機会が多く、とても面白いです。例えば、韓国語で「愛人」は「恋人」の意味にもなります。それに「八方美人」は韓国では褒め言葉なんです。似ているからこそ微妙に違う、そんな表現も教えていく中で知ることができます。
私は、日本語教師は「教える」ことよりも、「学ぶ」ことのほうが多いのでは、と思います。その学びの中から得られるものが日本語教師の醍醐味だと思います。
「教師として成長」
今の自分に満足せず、初心を忘れずよりよい授業ができるよう、教師としてもっと成長するために努力していこうと思っています。
KCPで学んだ「人間教育」を実践
治部 剛さん 〔18期〕
<経歴>
中国 日本語学校 常勤講師
現在 鹿島学園高等学校から中国の国立高校へ職員として派遣
─最初はどこで日本語を教え始めたんですか?
中国の日本語学校ですが、いわば学習塾のようなところです。そこでは、文法やテスト対策重視の授業になり、知らず知らずのうちに「使える日本語」という点が疎かになってしまいました。「日本文化を教える」という点においても、足りない部分があったと思います。
「学生たちのために努力」
私はこれから中国の国立高等学校で教鞭をとります。KCP日本語教師養成講座では、日本語教師としての心構えを学びました。また任期が空いた1ヶ月余り、KCPの教壇に立たせていただきましたが、KCPでは「人間教育」を重視していることを強く感じました。KCPで学んだ心構え、今までに得た教訓を糧に、初心を忘れず、学生たちのために努力していこうと思っています。
教壇実習での経験がトルコで活きる
大久保 志穂さん 〔10期〕
<経歴>
学校法人KCP学園 KCP地球市民日本語学校 非常勤講師
現在 トルコ トルコ・チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学観光学部
─トルコの大学、もう長いですね。
5年です。こちらの習慣にも慣れ、トルコの学生達と楽しく過ごしています。
─KCPで学んだことは 海外でも役立っていますか?
はい。KCPでは、教室での教師の立ち位置から絵カードの持ち方という基本的なことから、授業の進め方など細かいところまで、じっくりと学ぶことができ、今につながっています。特に教壇実習では、毎日クラスに入りながら教案を作りあげ、授業をした経験が大変役に立っています。
─というと・・・もう少し詳しく教えてくれませんか?
実際のクラスで、教師は、学生一人一人の日本語の力だけでなく、何に興味・関心があるのかなど、できるだけ一人一人を把握した上で授業案を考えます。だから、教壇実習で、毎日クラスに入り、クラスの学生とコミュニケーションをとり、一人一人を知り、そして授業案を考えたプロセスは、今につながる貴重な経験といえます。
─海外で日本語を教える楽しさ・喜びはどんなことでしょうか?
学生達はインターネットで日本のドラマやテレビを見ることはできますが、実際に日本語に触れ、日本の文化を目にすることはほとんどありません。ですから、学生達はとても興味を持って授業に臨んでいます。先日初めて観光学部の先生方や学生に向け、日本文化を紹介するイベントを学生達と開きました。日本語クラスの学生全員で作り上げたステージは本当にすばらしいものでした。日本語クラスの学生達からは一生の思い出になったと言われたこと、観光学部の先生方や他の学生にもステージを喜んで見てくれたことは、まさに海外で日本語を教える私の喜びの一つとなりました。
中央アジアの若者の夢~キルギスの人々、生活、文化に接して
山本 省吾さん 〔16期〕
<経歴>
学校法人KCP学園 KCP地球市民日本語学校 非常勤講師
キルギス共和国 キルギス国立法律アカデミー(大学)
現在 日本語学校 非常勤講師
─キルギスには ボランティア講師として行かれたんですか?
中央アジア、キルギスのビシュケクにある大学で1年間、週3回、日本語授業などのボランティア講師をしてきました。
─印象に残っている活動を教えてください。
たくさんありますが、その一つはキルギスの大学で第一、第二外国語として日本語を学ぶ学生とJICA日本センターで日本語を学ぶ学生を対象にした日本語弁論大会です。私も本部から頼まれ、大会前日に一人の学生のスピーチを指導しました。(優秀な学生でしたが、日本人のいない地方のため限界があり、せめて2、3日余裕があれば、とてもよくなったのにと思いました。)
この大会は、1年間の日本語学習の成果を試す大事な大会で、出場した学生は皆、緊張を隠せない様子でした。緊張のあまりスピーチ中に倒れてしまう学生もいました。幸い意識はすぐ戻り、怪我も無く会場全体が安心したという出来事もありました。出場した学生、応援に来た学生と先生、来賓と審査員、皆、真剣そのものでした。普段と違う高揚した気分の中で、一体感を感じるすばらしい大会でした。
─スピーチのテーマはどんな内容が多いんですか?
テーマは、キルギスの伝統、自分の将来の夢、日本語を勉強する目的などでした。スピーチを聞いて、日本人の私は、この国の伝統(文化、生活、宗教など)について大変考えさせられたと同時に、キルギスの若者たちには、その夢を実現させてほしいと思いました。
─帰国後はどうされているんですか?
国内の日本語学校で週2回教えています。ですが、また学期休み中に1週間弱の予定で色丹島へ行ってきます。ロシアの人々と実際に交流するのは3日間だけですが、日本語と書道で交流してこようと思っています。キルギスでも学生に書道を教えていましたので、その経験が役立ちそうです。
米国大学TAをきっかけに、大学院に進学
深作 未来さん 〔19期〕
<経歴>
アメリカ リンカーン大学 ティーチング・アシスタント(以下、TA)
─最初の渡米はTAでしたね。
KCPからアメリカの大学にTAとして派遣されまして、1年過ごしたときにもっと学びたいという気持ちが強く、大学院へ進学することに決めました。今も大学院で日本語のTAを続けています。
アメリカの大学で、唯一の日本人
日本で日本語を学んでいる留学生なら、日本語学習は生活に直結しますが、アメリカの大学での日本語は、多くの学生にとって大学の授業の一つです。極端なことを言えば、悪い成績さえとらなければいい、と考える学生もいます。その一方で、学生が接することができる唯一の日本人が、日本人の教授や私たちTAとなることが多いのです。つまり、私の言動が学生の「日本人の印象」として残ってしまうこともあるのです。こういう状況で、日本語を教えることの意味を模索しながら、今、教壇に立っています。
「日本語学習者を見ながら授業を創る」
KCPでは少人数制だったので、先生方は私たちの理解の様子を見ながら、授業を進めてくれました。また先生方は一方的な講義はしないので、主体的に参加でき、教壇実習では多くの成果を得ることができました。特に、KCPには日本語を学習する留学生の様子を毎日端で見ながら、教壇実習の準備ができるというすばらしい環境がありました。日本語教師として、日本語を教える能力を磨くことは勿論大切ですが、同時に、学習者が今学んでいることを知り、昨日習ったことを使って次の課を教える、という積み重ねを考えるという勉強ができたことが、アメリカでとても役に立っています。
ボランティア日本語教室は 楽しい!
鈴木 清五さん 〔14期〕
<経歴>
厚木市 日本語教室講師
─受講中、課題やテストが大変でしたか?
60歳の定年に当たり、KCPで420時間日本語教師養成講座受講を決めました。著名な先生方の講義は興味深い内容ばかりでしたが、何十年ぶりかで受ける試験・レポートには、一発でパスできないものもありました。落ちこぼれるかとハラハラしましたが、二度目でパスしてほっとしました。
─教壇実習も緊張しましたか?
最初は多少緊張感もありましたが、これからの世界を担うであろうたくさんのKCPの留学生たちに接することで、逆にエネルギーをもらいました。大変貴重ですばらしい経験ができ、うれしく思いました。
─今、ボランティア日本語教室の講師をされているんですよね?
養成講座を受講中からずっと厚木市委託のボランティア日本語教室で講師をしています。学習者の国籍は、中国、台湾、韓国、インド、フィリピン、ベトナム、タイ、そして遠くはペルー、ナイジェリア、カナダなどです。ですから、学習者の日本語レベルやニーズは様々です。日本語レベルは、初級~上級、また生活者として、社会人としての日本語まで求められます。ですから、ボランティアとはいえ、多くの文法知識が要求されますし、相手がわかる言葉だけで話す語彙コントロールも重要です。
─日本語教師のやりがいとは何でしょうか?
日本語を教えながら色々な国の方とお話ができるので、自分の世界が広がるようで楽しいですよ。私は、KCPで指導を受けたいろいろなタイプの日本語教師、例えば随所にジェスチャーが飛び出す先生、ユーモアいっぱいの説明をする先生、学習者から楽しい意見を引き出す先生などの姿をイメージし、また教壇実習で受けたアドバイスを実践で活かし、楽しく活動しています。
日本語を通して世界の人々を繋ぎたい
福本 陽子さん(旧姓) 〔7期〕
<経歴>
学校法人KCP学園 KCP地球市民日本語学校 非常勤講師
学校法人KCP学園 KCP地球市民日本語学校 専任講師
ブラジル JICA 日系社会青年ボランティア フォス・ド・イグアス日本語学校
ブラジル 日系旅行社で観光ガイド兼日本語ガイド養成のための
日本語教師として勤務
─どうして日系社会青年ボランティアに応募されたのですか。
JICAボランティアには2種類あり、海外青年協力隊と呼ばれる主に発展途上国にて活動するボランティアと日系社会青年ボランティアという日系社会が存在する中南米の各国にて活動するボランティアがあります。日系社会青年ボランティアは日系社会が存在する移住地や町において日系人と共に活動するボランティアです。私はまず日系社会において必要とされている継承日本語教育というものに興味を持ちました。日系人社会は今や5世、6世まで存在する長い歴史を持つ社会になっています。その中で、日系人の家庭では日本語の継承においては薄れてきているのが現状です。移住先の国において功績を残してきた1世の子弟(子供たち)に日本語のみならず、日本文化をどう継承していくかが日系社会においては課題となっています。日本国内で教えていた間は出会わなかった継承日本語教育に興味を持ち、現地の日系人と共にその問題を考え、活動したいと思ったのが主な応募理由です。
─日本で教えるのとはどんなところが違いましたか。
日本語教育においては現地ではまだ日本の国語教育の指導法が残っているところが多く、日本語教育への移行期でもありました。なので、現地の教師はもちろん日本語教育の知識がなく、教材も十分にはない状況で、日本語教育を現地の状況に合った方法で取り入れていくための工夫がとても必要でした。
また、日系人の家庭といっても、その子供たち、大人の2世、3世でもほとんど日本語は家庭内でも使わない状態。日本語学校に来た時にしか日本語に触れる機会がない学習者を継続的に日本語に興味を持たせ、学習したことを定着させることに苦労しました。
─海外で教える大変さと面白さを教えてください。
日本のように教材や教具は十分には揃っていません。その中で教師が現地の状況、対象学習者の環境に合った教材、教具作りをしなければなりません。また海外にいると、現地の人は日本人である自分を通して「日本」「日本人」というものを知ろうとします。そのため、日本語の知識だけではなく、日本文化、日本の歴史、現代の時事といったように、日本についてよく知っている必要があり、それを生の声で伝えるという役目もあり、私は海外にいてこそ日本について考えさせられましたし、伝えたいからもっとよく知ろうという気持ちになりました。その反面、異文化の中で生活していると、日本と比べるようになり、お互いの国の良い面、悪い面が見えてくるのもおもしろいです。授業の中で気づく面白さもあり、例えば日本で通用するような例文がその国では通じないということもあります。一つの例を挙げると、友だちと待ち合わせをしていて遅れた場合、日本だったら「10分も遅れてしまって、ごめんなさい」これは私がいたブラジルではこの感覚は伝わりません。ブラジルでは10分は遅刻のうちに入りません。遅れることが当たり前。遅れないと反対に失礼・・・となるからです。なので、「~てしまって」という後悔、残念な気持ちがあるこの言葉の意味、使い方が伝わらない例文になってしまうのです。その国の習慣や社会の慣習などを知ったうえで、現地の人達にも通用する日本語を考えるのも面白さだと思います。
─将来の夢は?
私は日本で、海外(ブラジル)で日本語を教えてきましたが、どんな場所でも、どんな環境でも、どんな人たちにも日本語を教えられ、日本文化も伝えられる教師になりたいと思っています。言葉(日本語)はコミュニケーションを取るために一つのツールですが、いろんな文化背景を持った人たちを繋ぐことができるものでもあると思います。日本人として、日本語教師として、日本語を通していろんな人と人を結んでいきたいと思っています。
ケニアで“会話を楽しむ” 学習者との出会い
片山 優子さん(旧姓青山) 〔15期〕
<経歴>
ケニア プライベートレッスン
─アフリカで日本語を教えたんですね。
主人がケニアのナイロビに赴任した際、指圧師のケニア人女性にプライベートレッスンを週1回行いました。彼女は 日本国際視覚障害者援護協会の留学生として3年間の日本留学経験があり、国連のレクレーションセンターや出張で、指圧マッサージ・リフレクソロジーの施術を行い、日本人顧客も多いんです。だから日本語レベルは上級でした。2013年には、日本語能力試験N2級を取得しました。N1挑戦は残念な結果でしたが。
─ケニアで、教材はどうされたんですか?
日本大使館の図書室にあるテキストや過去問題集を使いました。彼女が苦手な読解を中心に語句の勉強をしました。
─初めてのプライベートレッスンだったんですか?
そうなんです。ですから躊躇がなかったわけではありませんが、KCPでの実践経験があったので、ぜひやってみたいと引き受けました。実際は自分自身の指導力に歯がゆさも感じましたが、レッスン前後のコミュニケーションを含めて、彼女の明るい性格も手伝って、彼女が希望する“会話を楽しむ”事がお互いにできたと思っています。
日本語教育も英語教育も
家森 二郎さん 〔14期〕
<経歴>
学校法人KCP学園 KCP地球市民日本語学校 非常勤講師
プライベートレッスン
現在 学校法人KCP学園 KCP地球市民日本語学校 英語講師
─今 日本語プライベートレッスンをしているんですか?
ええ、養成講座修了後しばらくはKCPで非常勤講師として働かせていただきましたが、今は息子の妻(上海出身)と彼女の中国人の友人2名に 週1回、2時間程度ですが、自宅で日本語を教えています。
─どんな内容の授業ですか?
彼女たちは、日常会話は問題ないのですが、職場、病院、幼稚園等での日本人職員との会話に 自信が持てないらしいのです。
─このレッスンのどのようなことに難しさを感じますか?
彼女たちは、熱心に勉強するのですが、なかなか抜けない不自然さ、不正確さの克服が課題です。非常勤講師を辞めてから、日本語教育に少しブランクがあったものの、金原校長から教わった日本語文法、王伸子先生の音声学の授業ノートを再読するたびに新たな示唆を与えられています。KCPで培ったあらゆる内容が、今、小さな個人指導の中に生かされています。
─家森さんは英語教師の経験を活かして、今、KCPでも活躍中ですね。
現在、KCPの大学・大学院を目指す人たちのための「受験講座」で「英語」を週2日担当しています。
留学生たちの未習得の日本語表現や文法項目も気にしながら、半分は英語教師、半分は日本語教師のつもりで楽しく英語授業を行っています。KCPには英語の他にも数学・理科・社会などの受験講座がありますが、日本語教師のように易しい日本語でそれらの教科を教えられる人がなかなかいなくて、人材探しに苦労しているそうです。日本語教育と他に何か一つでもできることがあると、就職に有利かもしれませんね。